深刻な状況になることも

男性

うつ病と誤診される可能性

双極性障害は、うつ状態より躁状態の方が深刻な状況を招くと言われています。本人はうつ状態が辛いものですが、躁状態になると梅雨が明けたかのように元気になるので、病気であるとは考えないものです。元気になっただけなら良いのですが、まるで超人のような錯覚を抱きがちなので、傲慢な態度を取ったり暴言を吐いたりすることが増えていきます。それが家庭では育児放棄や離婚などに、会社では解雇や辞職に繋がることも珍しくありません。明らかにおかしいと周囲は感じますが、受診を勧めても自分の状態におかしさを感じないため、治療を始めるのが簡単でないケースが多いです。躁状態が落ち着けば、うつ状態か、どちらの状態でもない寛解期に入ります。しかし、それぞれの状態が起きる期間は一定ではなく、予測は不可能です。何度もこのサイクルを繰り返していると心身ともに疲弊してしまうので、受診させるよう、周囲の人が努力してあげたいところです。大惨事を招きかねない状態となる双極性障害を双極?型障害とし、軽躁状態が起きる場合を双極?型障害としています。診断の基準は、入院を要するほど重篤でない、高揚した気分が4日間以上ある、妄想や幻覚が出ていない、などをポイントにします。軽躁状態はエネルギーが満タンでアイディアが豊富に浮かび、仕事で活躍を見せる人も少なくないです。周囲に迷惑をかけるような行動はほとんど起こさないため、うつ病と診断されるケースが多くなっています。うつ病と診断されて抗うつ薬を服用している内に悪化したり、短い時間で病相が切り替わったりする急速交代型になる可能性があり、注意が必要です。うつ病の治療を続けていたが、途中で双極性障害に診断が変わったという人もいます。あるいは転院するたびに違う病名を言われる、長年うつ病が治らない、という人も少なくありません。正しく診断されないと、本人はもとより、家族も辛い経験をします。ただ、精神障害の多くは病相の区分があいまいで、診断が難しいのが現状です。双極性障害においても明らかな躁状態が出ていれば診断しやすいですが、うつ状態のみを診ればうつ病と診断するよりなく、軽躁状態の双極?型障害でも同じことが言えます。正しい診断と適切な治療のためには、何よりも自分の状態を知るのが大切です。躁状態のときは本人にとって心地よい状態の場合も少なくないので、家族など第三者から見てどうなのかを知ることも必要になります。過去の状態を把握しておけば、うつ状態で受診したとしても躁状態の経験があったことを医師に伝えられ、誤診を防げます。治療には基本的に気分安定薬が使われますが、万能薬ではありません。特に双極?型障害の場合、どこまでが病相でどこからが性格によるものなのかが明確にはならないからです。これは精神障害は身体疾患のように様々な検査を行った上で出てくる検査データ、バイオマーカーが出せないというのも問題です。一番効果的な検査に光機能画像法による検査や脳の画像検査などが挙げられるものの、確実な方法ではなく、あくまでも診断の補助として役立てられています。やはり診断は問診が重要なため、過去と現在の状態をできる限り詳細に伝えることと、双極性障害の治療を専門にしている医師に診てもらうのが大切です。